瀬戸内で披露された作品”かげたちのみる夢(Remains of Shadowings)”は、小泉八雲による短編集『影(Shadowings)』より引用されており、その中の話の一つである「和解」から着想を得ていました。夢と現実の間を、廃墟を舞台に行ったり来たりするストーリーになぞらえ、鑑賞者は廃墟内に実在する「物」、それを描いた「絵画」、またその絵画を移し込んだモニターによる「映像」という3つの異なる視点を体験するものでした。
近年の彼女の絵画はインスタレーションのテーマに沿って描かれています。KAAT 神奈川芸術劇場や房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス、ATAMI ART GRANT の展示では実存する廃墟の中にモノや動物の剥製を配置し、その様子を描くことで親近感がありながら現実感のない白昼夢のような世界を描きました。また一方、2019年のアートフロントでの個展および、金沢21世紀美術館での展示においては、作家は自身が過去に見た夢の世界や、夢に関連する世界中の逸話をモチーフにしており想像上の世界を描いていました。
《Untitled (Towels)》2022 木板に油彩, 38.2 x 49.2 cm 《かげたちのみる夢 Remains of Shadowings》2022「瀬戸内国際芸術祭2022」 展示風景より《Untitled (Pots)》2022 パネルに油彩, 24.2 x 33.3 cm 《かげたちのみる夢 Remains of Shadowings》2022「瀬戸内国際芸術祭2022」 展示風景より