北城貴子 – Saturation

会期終了

2012年3月19日 - 4月8日

北城貴子「The day I touched you 9」、キャンバスに油彩、727x606mm、2011年
このたび、アートフロントギャラリーでは北城貴子の個展「Saturation」を開催致します。
作家の詳しいプロフィール、作品については下記リンクにある作家ページをご覧ください。
2004年のVOCA展以来、注目されてきた北城貴子。初期の抽象的な作風から2006年の大原美術館でのレジデンスプログラム参加を機に、より具象的な風景に転じ、周囲にある自然の風景を光を切り口にして描き続けています。2010年末のアートフロントギャラリーにおける展覧会ではドリッピングの技法を使って描かれた花など、白やピンクの花と、画面いっぱいにほとばしるような光の粒が印象的でした。それらの光は描かれた風景の中に煌く大気の密度を感じさせました。
それから1年半、私たちは再び北城貴子の新作を目にすることが出来ます。2006年から森や花を描いてきた北城は雪、海、雲など、描く対象を一気に広げています。そして筆致、マチエール感がこの作家にとってより重要な要素になってきています。雪の森、夏の植物などが、それぞれのモチーフに合わせ、様々な筆遣いによって描かれ、そこに存在している密度をもった大気を感じさせます。
注目すべきは描かれる対象との距離感かもしれません。私たちが絵画や写真を「風景を撮っている」とか「物を描いている」という場合に、その区別はどれくらいの地点から対象を見ているかということの差でしかありません。ジャンルとしての風景画、そして静物画というそれぞれの歴史を通して作家は絵を描き、私たちは無意識のうちに空や地面を入れた構図を決め、スナップショットを撮ります。北城の近年の作品はこれらのルールを根本的に崩す方向に向かっているように思えます。普通、私たちと対象の間には見えない空気があって、そこに光があたることによって視覚的な距離感やフォーカスの曖昧さが生じ、近いとか遠いとか、距離を感じます。北城によって風景が切り取られ、近景に置き換えられることで描かれた対象と私たちも距離は近づいています。それでも、そこにはまだ風景を見た時に感じる大気が、絵を見る私たちとキャンバスの間にも浸透してくるように感じられます。
今後の展開を含め、絵画の可能性がますます楽しみになる北城貴子の近作が代官山に集まります。
アートフロントギャラリー 近藤俊郎
営業時間11:00~19:00 ※月曜休廊、但し3月19日(月)は除く
会場アートフロントギャラリー
イベントオープニングレセプション 3月19日(月) 18:00~20:00
作家在廊日4月8日(日)
作家インタビューhttp://www.art-it.asia/u/artfront/bwJV50irmsDxGk4q2gzf

みどころ

出展作家

北城 貴子Takako Hojo

2004年にVOCA展に参加、その後も大原美術館のレジデンスプログラムに選出されるなど、デビューより常に注目されてきた作家。印象派風のタッチで光をテーマに描き続けているが、描く対象は少しずつ変化している。2006年の大原でのレジデンスでは、緑の木立に光が差し込むスタイルを完成し、広く知られる作品となった。2010年ごろから花のシリーズに光の粒が飛散する作風、その後再び入選したVOCAでは初めて接したという雪景色、さらに光きらめく水面のシリーズなどを描いている。ドローイング、油彩など様々な作品を手掛けながら新たな方向を模索している。