原田郁 西澤知美 – 遠い国近い国

会期終了

2015年2月13日 - 3月1日

原田郁 「House - White Cube 2013-01」 キャンバスにアクリル, 1120x1455mm
アートフロントギャラリーでは2015年2月13日(金)から3月1日(日)、「遠い国近い国」と題し、原田郁と西澤知美による2つの個展を開催します。是非お越しください。
 西澤知美は、2014年東京藝術大学大学院卒業、サロン・ド・プランタン賞を受賞した若手作家で、美容をテーマにビューラーなどの器具を使ってインスタレーションを制作しています。私たちが日ごろ目にする雑誌やテレビでは、ファッションと同じくらい話題にのぼる美容ですが、アートにおいてはほとんど触れられていません。電車の中でメイクをする女性がことさら話題になった事があるように、人は内と外の顔を使い分けているのかもしれません。バーチャルとリアルについてのアートは、多々ありますが、内と外の違いというテーマを掘り下げるという点で、美容にフォーカスする西澤は特出しています。過去のコロー、ボナール、スーラの「化粧」や川端康成の「化粧」など、表現において男性の視点から捉えられたものをのりこえて、西澤の作品は造形的な面白さもさることながら、化粧を女性の視点で捉えているということが現代的な視点ではないでしょうか。
 一方、原田郁は、PC上に架空の三次元空間を作り、その風景を二次元の平面作品として描いてきた作家です。架空の世界でありながら、そこには陽がのぼり、影が落ち、部屋があり、窓の内側には家具が置かれています。PC上のバーチャルを平面として残し、実際の展示空間にかけることで、バーチャルとリアルが入れ子になって、不思議な空間が表現されます。今回は、平面作品だけではなく、バーチャルな世界のオブジェも実際の空間に復元し、平面と立体の両方を使ったインスタレーションを試みます。バーチャルな空間が切り取られたかたちで実際の世界に表現されるでしょう。
 現代における私たちの住む現実世界は、情報にあふれ、それが現実にとって代わる複層した世界です。化粧はもはや化粧ではなく、こちらとあちら、内と外が逆転した私たちの現代を表現するふたりの作家の新作、近作をご紹介する展覧会となります。
アートフロントギャラリー 近藤俊郎
営業時間11:00 - 19:00 (月休)
会場アートフロントギャラリー(代官山)

みどころ

西澤知美  (写真は作品一部)
原田郁

出展作家

原田 郁Iku Harada

原田はコンピューターの中に家や公園のある架空の世界を作り、その架空の空間の中に立って見える風景を描き続けている。そこには木が生え、絵を飾るギャラリーさえ存在している。コンピューター画面の中に作られた景観は「リアル」なものではなく、大気の厚みがないため、色彩も現実世界にあるような光のあたり方によって生じる曖昧なグラデーションはない。ひと昔前のコンピューターの中の世界の絵に描かれた架空の世界である。それでもそこに陽は昇り、時間によって影が移動する。原田はこうしてシミュレーションで作りあげた自分の空間の中の世界を現実のキャンバスの風景画に置き換え、現実世界で絵を描いている。最近では、立体も制作しており、仮想空間に描かかれたモノが現実に現れ、かつそれが再び描かれるという入れ子の関係性に発展している。