アートフロントギャラリーは、川俣正 個展「Kawamata Archive 2025」を開催いたします。
川俣正(かわまた ただし)は、作品の制作過程そのものを表現の一部とする独自のアプローチで、いち早くインスタレーションを取り入れ、日本の現代美術を牽引してきたアーティストです。1998年には東京藝術大学美術学部先端芸術表現科の設立に主任教授として参画し、2006年以降は拠点をパリに移して、ヨーロッパを中心にアメリカ、アジアなど世界各地で精力的にプロジェクトを展開しています。
本展は、2024年に開催された「Kawamata Archive 2024」に続くアーカイブ展であり、川俣が2025年に取り組んだ活動を振り返る展示となります。国内外の展覧会やコミッションワーク、継続プロジェクトなど、本年における川俣の多岐にわたる実践を、本展覧会で一堂にご覧いただけます。また、これまで制作された全てのマケットを網羅した、川俣の作家活動を総括する貴重なカタログが出版されます。本展覧会期間中に購入いただいた方には、「千鳥橋ライトポスト」のイラストがデザインされたトートバッグをプレゼントいたします。
みどころ
■Room 1|2025年のアーカイブ
2025年に川俣が国内外で行ったプロジェクトを、模型、マケット、写真、映像、記録メモなど多様な作品と資料を通して紹介します。2025年3月に大阪・此花区に設置された恒久作品「千鳥橋ライトポスト」と同型の作品も、展示予定です。
■Room 2|アートフロントギャラリーにおけるアーカイブ
1984年の「工事中 ヒルサイドテラス」や、「越後妻有アートトリエンナーレ」など、アートフロントギャラリーとの長年にわたる関わりを、貴重な作品とともに振り返ります。
川俣正の現在進行形の創作活動とその軌跡を、立体的に体感できる貴重な機会です。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
工事中 ヒルサイドテラス
作家コメント
「Kawamata Archive 2025 」について
昨年から再スタートしたアートフロントギャラリーでの「Kawamata Archive」展は、今年で2回目になります。大阪でパブリックアートを設置する機会をもらい、ライトポストの作品が恒久設置されました。またいくつかのプライベートなプロジェクトで作品を作り、いくつかの美術館での展覧会にも参加しました。ただ相変わらず夏は日本で、妻有、六甲、仙台と、通年で行なっているプロジェクトを今年も引続き、行いました。そしてパリに戻り、来年、再来年からのプロジェクトの準備が始まり、相変わらず忙しくしている今日この頃です。こんな生活がいつまで続くのやらと、ふと思うことがあります。どうなることやら。
川俣 正
出展作家

川俣 正
1982年にベネチアビエンナーレに参加して以来、世界を舞台に活躍する川俣の作風は「製作プロセスそのもの」も作品であるということである。川俣の手がける大がかりなプロジェクトではアパートや公共空間に材木を張り巡らし、空間そのもののとらえ方を作品として見せているが、そこでは観客の動きまでもが作品のプロセスとなる。プロジェクトを実施するために作られる模型や平面レリーフもそうした意味でプランではなく一つ一つがそこに至るプロセスを抱えた作品だと言える。インスタレーションという手法をいち早くとりいれた川俣だが、最近個別作品の人気も高まっている。