大岩オスカール – 世界は光に満ちている

会期終了

2016年4月28日 - 5月22日

Giant Octopus 2
2016年 / 洋金箔、キャンバスに油彩 / 227x333cm (3パネル)
この度アートフロントギャラリーでは、大岩オスカールの個展を開催いたします。
大岩オスカールの作品を思い浮かべるとき、ヴェールの向こう側の世界に吸い込まれるような感覚を覚える人は少なくないでしょう。緻密なタッチや鳥瞰図的な構図を使い、新聞記事やネットの中に社会問題の糸口を見出し、何回もリサーチを重ねて下書きをし、肉付けをして大画面を仕上げていく。その画風はときに黙示録的であり、都市の片隅で日常的に起こっている残虐なシーンにも目を背けずあえてユーモアを交えて淡々とメッセージを発信していきます。
アトリエで制作に励む一方で、作家はのどかな田園、里山、水のある風景を愛し、リュック一つでどこまでも身軽に旅をし、移動しながら自らのアイデンティティを問い直しているようです。2013年には芸術祭の一環として瀬戸内海伊吹島の体育館に、半径6mに及ぶドームを設置し、その壁面を瀬戸内の風景で埋め尽くしました(今春、小豆島土庄エリアに移築)。翌年、群馬県立舘林美術館にて日系ブラジル人画家とともに作品を展示し、第二次大戦前後にブラジルに渡った画家たちとの親交や影響について語りました。その後ニューヨークや韓国でもゴーストシップなど舟を真ん中に据えた作品を発表し、世界各地を拠点にした活動を続けています。
今回アートフロントギャラリーでは、瀬戸内の海、隅田川、サンパウロ市内を流れるピニェイロ河を描いた作品を一同に展観します。自然光に照らされた静謐な空間に身を置くと、地球の真裏にある河川もまた瀬戸内の海につながっており、見るものを照らす陽光は遍く同じという作家の実感が伝わってくるような気がします。きらめく水面には薄い金箔が散らされ、青を基調とした光と影のグラデーションと相まって、油彩のみより一層の奥行感を与えています。実はこの《Giant Octopus 2》には兄貴分の作品が存在します。3月20日に開幕する瀬戸内国際芸術祭2016のために、男木島の空き家を舞台に描かれた襖絵がそれで、逆にこのOgi House の四季の移り変わりをアートフロントの空間で見ることもできます。さらに展覧会に合わせて最新の作品集が刊行される予定です。2008年以後の作品が網羅され、エッセイとともに大岩オスカールのすべてがご覧いただける内容となっておりますので、3年半ぶりとなる展覧会とあわせてぜひご参照ください。
<作品集を発売します>
タイトル:『大岩オスカール画集「天地創造」』
編集:大岩オスカール スタジオ 、ニューヨーク
発行:株式会社求龍堂 発行予定:2016年4月20日
予価:4,000円+税 3カ国語表記(日・英・ポルトガル語)
<瀬戸内国際芸術祭>
春期:3月20日(春分の日)~4月17日(日) 
夏期:7月18日(月・海の日)~9月4日(日)
秋期:10月8日(土)~11月6日(日)
詳細は>こちらをご覧ください。
大岩オスカールの作品は、男木島と小豆島の土庄エリアの2か所で観られます。
営業時間11:00 - 19:00 (月曜および5月3-5日休廊)
会場アートフロントギャラリー(代官山)
レセプション  2016年 4月28日(木)18:00-20:00

みどころ

Ogi House 7
2016年 キャンバスに油彩 61 x 66 cm
大岩島 2 (瀬戸内芸術祭 出品作品)
エアドームにドローイング

出展作家

大岩 オスカールOscar Oiwa

物語性と社会風刺に満ちた世界観を、力強くキャンバスに表現するアーティスト。独特のユーモアと想像力で、サンパウロ、東京、ニューヨークと居を移しながら制作を続けている。サンパウロに生まれ、建築学科を卒業した作家は、東京の建築事務所で働きながらアーティストとしても活動。奨学金を得てニューヨークに移り住み、現在も米国を拠点としている。大岩はよく旅をし、移動しながら複数の文化に根差した自らのアイデンティティを模索しているように思われる。緻密なタッチや鳥瞰図的な構図を使い、新聞記事やネットの中に社会問題の糸口を見出し、入念なリサーチをもとに大画面をしあげる彼の作風のファンは多く、国内外の多くの美術館で作品が収蔵されている。2019年の金沢21世紀美術館での個展には15万人以上の来場者があった。