小田薫 個展 – 対峙

会期終了

2015年5月1日 - 5月24日

「ツナガルキオク」 2014  鉄、漆焼き付け、木、ナイロンコード
photo by 桜井ただひさ
この度アートフロントギャラリーでは、小田薫の個展を開催致します。
小田薫の作品、プロフィールについてはこちらをご覧ください。
 小田薫は1979年東京生まれ。東京藝術大学で鍛金を学び、2007年に同大学院修了後、本格的に作家活動を始めました。2014年には平塚市美術館の大きなロビー空間を使ってこれまで作って来た作品と共にインスタレーションとも言えるような新たな作品群を発表、今後の展開がますます楽しみなアーティストです。アートフロントギャラリーでの個展は初めてとなりますが、これまで数年間、代官山のT-Siteでの展示を始めギャラリー外の企画活動の中で小田薫をご紹介する機会があり、今後も長らく応援をしていきたい力のある注目作家のひとりです。
 小田の作品の多くは建物や建物に付随するもののかたちをしています。倉であったり、電車から見える給水タンクであったり、作家が日常で出会ったものがベースにあるようです。しかし固い金属という素材で形をしっかり作りながらも、見た物の外形を模倣しながら造形するというより、小田の関心はむしろそこには見えないものへと向かっています。例えば神社にひっそりと建つ社のようなものを想像すれば良いのですが、形の面白さがしっかりある作品でありつつ、小田の作品は作られた建物の中にあるはずの空間や暗闇を感じさせ、見る側の空想を掻き立てます。こうした内側へ向かってゆく作品の背景には、引っ越しでがらんどうになった部屋や亡くなった祖母の部屋を見た印象など、作家個人の体験があるようです。一方、近年の作品を見ると、アンテナを大きく突き出したビルや家から外に伸びる影などの表現が始まり、目には見えないけれども外に出てゆくものを表現することが増えてきているようです。内へ向かう作品作りから外へ外へと広がる作品に移行すると急に工芸的な細やかな表現方法から、作品が置かれた空間全体を使ったより大胆な表現へ広がってゆくはずです。
 この展覧会ではギャラリーの2つの空間を使って、一方は個々の「もの」として魅力的な小田薫のこれまでの作風をさらに進化させた作品群を展示、もう一方では作品から空間へ、外に伸びる見えないものを表現するために部屋そのものを作品に取り込んだ初の本格的なインスタレーションを試みます。新たな広がりを持った小田の作品に是非お立ち会いください。
アートフロントギャラリー 近藤俊郎
営業時間11:00 - 19:00 (月休)
会場アートフロントギャラリー(代官山)
レセプション2015年 5月1日(金)18:00-20;00
作家在廊日5/20(水)、5/22(金)、5/24(日)

出展作家

小田 薫Kaoru Oda

鉄や真鍮をたたいて制作する作家。モチーフの多くは家や蔵、社など古来からあるかたちの面白い建物で、作家が日々の生活の中で出会ったものである。引越しや亡くなった祖母の家で感じた虚無感から出発しているという家の作品は、そこにかつて人の気配があったという記憶をとどめており、記憶の拠りどころ、在りどころとして生と死をみつめる普遍的な問いへとつながっていく。2014年の平塚美術館、翌年のギャラリーでの展示において、金工の確かな手わざに支えられた作品たちがお互いに寄り添うように展示され、壁に映された影を含めてより大胆な空間表現に向かう様が人気を博した。