2008年4月の特集は、明るい色彩で影やシルエットを表現する山本晶の作品をご紹介いたします。.
実際に見た風景や出会ったもの、いろいろなものが私たちの記憶には残っています。それらを思い出そうとすると、輪郭や色は重なりあい、夢を思い出すようなはっきりしない感覚を感じることがあります。山本晶の作品からそうした心象風景を思い出すかもしれません。
色によって空間が切り取られ、埋められ、色はきちんとした輪郭を作りながらも交差し、重なりあっています。これまでの作品はそうした重なりが透明感を感じさせるものであったのに対し、近年はよりはっきりした輪郭をとるようになってきています。作家は最近、影を意識しているといいます。形はくっきりしたシルエットをとりながらも他の物の影と混じりあいます。本来はそこにない影と実際にあるもの、さまざまな重なり合い、出会い、そして何よりも意識的にそれらをひとつの作品の上で出会わせようという作家の積極的な意識、あるいはパズルをするような作家の遊び心を感じさせる作品です。