2026年3月19日
経済同友会が主催する能登の復興プロジェクト「のとマルチセクターダイアローグ」。
ヤッサープロジェクト(事務局:アートフロントギャラリー)は、そのなかのアート部会のモデレーターを担当しています。マルチセクターダイアローグでは、珠洲市で開催してきた奥能登国際芸術祭を、より広域で開催できないかという議論が進められています。
3月14日、15日の2日間、石川県の浅野大介副知事のご案内のもと、能登6市町(穴水町、七尾市、志賀町、輪島市、珠洲市、能登町)をめぐるアーティスト視察ツアーを実施しました。



ツアーには、奥能登国際芸術祭総合ディレクターの北川フラムをはじめ、阿部海太郎、石川直樹、EAT&ART TARO、梅田哲也、芝山昌也、高橋治希、弓指寛治ら、これまで芸術祭に関わってきたアーティストが参加。さらに、オーストラリアの劇団Back to Back Theatreのメンバー(アリス・ナッシュ)、Airbnbや小笠原財団など企業からの参加もあり、多様な立場から能登を見つめ直す機会となりました。
初日は穴水・七尾・志賀町、2日目は輪島・珠洲・能登町を巡り、各地で地域の方々のお話を伺いながら、暮らしや風景に触れていきました。
今回の視察を通して改めて浮かび上がったのは、能登という土地の深みと多層的な風土です。
内浦の穏やかな海と、外浦の荒々しい海。
豊かさを感じさせる集落の佇まいと、自然と向き合い続けてきた厳しさ。
そして震災によって隆起した海岸や崩れた地形。
あるアーティストは、「地球が生きていること、その表面を人が間借りしていることを実感した」と語り、また別のアーティストは「海は光、山は影。水際の風景にこそ能登の特質がある」と印象を述べました。
各地で出会った人々も印象的でした。
震災後も活動を続ける地域の方々、移住して新しい試みを始めている方々。そうした人々の存在が、風景以上に強く心に残ったという意見も聞かれました。
今回の視察は、能登という場所をアーティストの視点で見つめ直すと同時に、複数の市町を横断して見ることで、それぞれの地域の特色が感じられる機会にもなりました。
長く関わってきた珠洲についても、他地域と比較することで、その地形や文化、人の営みの独自性が改めて浮かび上がるという声もありました。
今後、こうした視察で得られた気づきやアイデアをもとに、能登におけるプロジェクトを進めていきます。能登という土地に根ざしながら、外からの視点と交差することで生まれる表現や関係性を丁寧に育てていきたいと考えています。
